価値観の多様化が影響?
結婚式場都道府県別登録件数ランキング

近年、結婚式への価値観の変化に伴い、結婚式場にも変化が訪れていることはご存知でしょうか。
1930 年代に結婚式を執り行うための「結婚式場」が誕生しました。
その後高度経済成長期に結婚式が急速に一般化したことで、結婚式場が増えていきました。
そしてその後のバブル景気に伴ってブライダル業界はさらなる成長を遂げますが、バブルが崩壊した1990年代以降は、不況の影響を受け一気に控え目な結婚式スタイルが増えていきます。この頃から「ジミ婚」という言葉が出てきました。
2000年以降になると、結婚式に対しての考え方や嗜好が多様化していき、人前式やリゾート挙式など新たなスタイルが登場し、式を開くにしても気心の知れた友人・知人だけの小規模な式を希望する人が増えていきました。
ブライダル業界は、前述したような人々の価値観の変化、それから人口動態に大きく影響を受けます。
厚生労働省の人口動態統計によると全国の婚姻組数推移は年々減少しており、そもそも結婚するという選択肢を取らない人や晩婚化が進んでいます。
さらに経済的な理由により、結婚式にお金をかける価値を感じられなくなったという意見も多くあります。
『結婚式ばなれ』が加速しているブライダル業界。今回は、全国の結婚式場の登録件数から業界の状況を考察し、どの地域に結婚式場が多いのかを都道府県別に調査しました。
意外?!人口に対して結婚式場が多い県はあの県だった!

2023年から2025年にかけて都道府県別での結婚式場の登録件数と10万人あたりの結婚式場の件数の調査結果をご紹介します。

出典:「iタウンページデータベース」NTTタウンページ株式会社調べ
2025年における人口10万人あたりの結婚式場の登録件数が最も多い地域は、10万人あたり6.56件の式場がある福井県です。続いて10万人あたり5.91件の島根県。3位は10万人あたり5.57件の長野県となりました。
福井県に結婚式場が多いことに驚く方もいるかも知れませんが、福井県は東尋坊や三方五湖など自然を感じられる景勝地が多数ある地域で、雄大な自然を感じられる開放感のある結婚式場が多く運営されています。福井県は3年連続で10万人あたりの登録件数ランキングで1位となっています。
2位の島根県は、他県が減少が続くなか2024年と2025年は横ばとなり、前年引き続き2位になりました。
3位の長野県は2023年に10万人あたり6.16件でランキング2位でしたが、2024年は8件の減少、2025年は6件の減少で歯止めがかからない状態ではありますが、3位に落ち着いた状況です。
結婚式の意識にも変化
コロナ渦を経て、結婚式に対する見方は大きく変化しています。
今までの結婚式といえば、昭和初期から普及してきた神前式やキリスト教式がメインとなっており、挙式と披露宴が別会場というのが当たり前の形でした。
近年では社会情勢も変化し、新たな結婚式の形として、人前式やリゾート挙式など、式のスタイルは個人の好みに合わせて多様化するようになりました。
式の多様化が進む中、家族や知人のみの小規模な式を希望する人が徐々に増えてきました。葬儀には家族葬といった家族だけで式をおこなうスタイルがありますが、結婚式でも家族や身内だけでおこなう小規模な式が今後もさらに増えていくことでしょう。
結婚式ばなれは、参列者の結婚式参加機会の減少による、結婚への憧れの場の喪失につながっています。これは婚姻組数にも影響が出るかもしれません。
まとめ
年々減少し続けてきた結婚式場ですが、コロナ禍を経てその減少幅が大きくなっています。経済的な理由や社会情勢の影響から結婚式ばなれが進み、ブライダル業界の今後にも影響が懸念されます。
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【調査概要】
都道府県別 人口約10万人に対する「結婚式場」の登録件数分布及び年別の推移を掲載しています。
■対象期間と抽出方法:2023年・2024年・2025年の各3月時点で、iタウンページデータベースの業種分類「結婚式場」に登録されている件数を集計し算出。
※1人当たりの登録件数は、小数点以下数桁になるため10万人換算をしています。
2025年11月執筆
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