味噌VS醤油 地域に愛されているのは?
最新!都道府県別登録件数ランキング

和食に欠かせない調味料といえば、味噌と醤油。
和食離れが進んでいると言われていますが、どちらも日本人の食卓を支える「なくてはならない調味料」です。
今回は、日本人が愛してやまない「味噌蔵と醤油蔵」に関するランキングです。
味噌と醤油の歴史を知りたい!
味噌のルーツは、中国の「醤(ひしお)」だと言われています。日本に伝わったのは、飛鳥時代の仏教伝来の頃。この醤が日本の温暖多湿な風土条件の下で、独特の「味噌」になったと言われています。そして、味噌からしたたる液体の「たまり」がとても美味しいことから、さらなる進化を遂げて「醤油」になって、江戸時代に庶民の食卓をにぎわすように。つまり、味噌も醤油もルーツは同じ醤なんですね。
現代の味噌は、赤味噌、白味噌、麦や豆の味噌と地域によって好まれる味が違います。また、意外なことに、好まれる醤油の味も地域毎に異なります。関東地方出身者が「九州に行ったら、お醤油が甘くて驚いた」という話しを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
最新!みそ醸造ランキング
みそ蔵トップは、10万人あたり5.12件の長野県です。長野県には、コイを味噌で煮込む佐久地域の「鯉こく」や、味噌や醤油ベースのタレをつけて焼く「五平餅」などがあります。「五平餅」は地域や家庭によってタレが異なり、くるみを使った「くるみ味噌」も代表的な味として受け継がれています。
2位は、10万人あたり5.04件の山形県。庄内地域の冬の郷土料理「どんがら汁(寒鱈汁)」は、寒ダラの身やあら、内臓などを余すことなく使い、味噌ベースの汁で仕上げます。また、県内では納豆をすりつぶして味噌と合わせる「納豆汁」も古くから親しまれています。
3位は、10万人あたり4.29件の福島県。南会津地域などで食べられている「しんごろう」は、ご飯をつぶして丸め、えごまと味噌などで作る「じゅうねんみそ」を塗って焼いた郷土料理です。また、古殿町などには、小さなじゃがいもを味噌や砂糖などで味付けする「みそかんぷら」も伝わっています。
こうして見ると、味噌は汁物から焼き物、煮物まで、各地域の食材や暮らしに合わせてさまざまな郷土料理に使われてきたことがわかります。地域ごとに異なる味わいや食べ方が受け継がれているのも、味噌文化の魅力といえそうです。
参照:地域検索 | うちの郷土料理:農林水産省
人口約10万人当たりの「みそ醸造」登録件数による都道府県ランキング

最新!しょうゆ醸造ランキング
醤油蔵トップは、10万人あたり6.07件の島根県です。島根県では、宍道湖のしじみを使った「しじみ汁」が親しまれており、冬は味噌仕立て、夏はすまし汁風にして食べられてきました。また、代表的な郷土料理「出雲そば」は、つゆを直接そばにかけて食べるのが特徴です。
2位は、10万人あたり4.89件の香川県。郷土料理の「打ち込み汁」は、野菜とうどんを煮込み、味噌で味をととのえる料理です。一方、「しょうゆ豆」は、煎ったそら豆を醤油や砂糖、唐辛子などを合わせた調味液に漬け込んだ料理。香川県ではうどんの食文化にも、小豆島などでつくられてきた醤油が深く関わっています。
3位は、10万人あたり3.46件の石川県。具だくさんの豚汁「めった汁」は味噌で仕立てるのが代表的ですが、家庭によっては醤油を使うなど味付けもさまざまです。また、石川県を代表する煮物「じぶ煮」には醤油が使われています。
こうして見ると、味噌と醤油はどちらも地域の食文化に欠かせない存在です。その土地でとれる食材や気候、暮らしに合わせて使い分けられ、各地ならではの郷土料理を形づくってきたことがうかがえます。
参照:地域検索 | うちの郷土料理:農林水産省
人口約10万人当たりの「しょうゆ醸造」登録件数による都道府県ランキング

芋煮戦争勃発!山形醤油VS宮城味噌
秋になると、東北各地で行なわれる芋煮会。春の花見に匹敵すると言われるほどの季節行事です。毎年この芋煮会で熱い論争が繰り広げられているとか。
「芋煮戦争勃発!」とまで言われるその論点は、芋煮の中身にありました。芋煮は里芋がメインの鍋料理で、山形県は牛肉で醤油ベース、宮城県は豚肉で味噌ベース。山形県人が「宮城の芋煮は里芋入り豚汁だ」と書き込めば、宮城県人は「芋が主人公であれば、何が入っていても芋煮」と応ずるなど、果てない論議が続いています。もちろん、「屋外で美味しい鍋を食べられて羨ましい」という県外からの声も上がっています。
ちなみに、みそ蔵数2位の山形県でも、郷土料理の味付けがすべて味噌というわけではありません。山形県を代表する「芋煮」は、地域によって違いがあるものの、醤油を使った味付けも広く親しまれています。一方、味噌仕立ての芋煮が食べられる宮城県は、2025年の味噌・醤油いずれの蔵数ランキングでもTOP10圏外です。
蔵の多さと郷土料理の味付けは必ずしも一致せず、その土地の食材や食文化に合わせて、味噌や醤油が使い分けられてきたことがうかがえます。
日本人に深く愛される調味料の味噌と醤油は、世界で愛される調味料へ
世界中で日本食ブームがおきており、フランス料理のソースに味噌を使うシェフもいれば、家庭料理に醤油を取り入れる外国の方も多いとか。日本の伝統的な味が、その国でどんな風に応用されていくのか楽しみです。
東北の芋煮戦争のように、フランスVSスペインで子牛の頬肉煮込みの隠し味に相応しいのは味噌か醤油かなんて論争がおきたら、日本人としては嬉しいですね。
「味噌VS醤油」は日本国内にとどまらず、世界各地で論争を巻き起こす日も遠くないのかも知れません。
【調査概要】
都道府県別 人口約10万人に対する「みそ醸造」「しょうゆ醸造」の登録件数分布及び年別の推移を掲載します。
■対象期間と抽出方法:2023~2025年の各4月時点で、iタウンページデータベースの業種分類「みそ醸造」「しょうゆ醸造」に登録されている件数を集計し算出。
※1人当たりの登録件数は、小数点以下数桁になるため10万人換算をしています。
※掲載情報は2026年4月時点のものです。
2026年10月執筆
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